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21世紀の新視点

主に日米の国際情勢を解説していきます。

「2国家共存」の破棄で、中東は新たな局面へ

アメリカ トランプ 中東

今月15日、イスラエルのネタニヤフ首相が訪米しホワイトハウスでトランプと会談をした。その会談のなかで、トランプはイスラエルパレスチナの2国間共存に必ずしもこだわらない姿勢を見せた。

トランプ大統領「2国家共存こだわらず」、ネタニヤフ首相と会談 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

2国家共存というのは、イスラエルと共存するパレスチナ国家の設立を推進する和平構想で、最近20年間の歴代米大統領はこれを支持してきた。それだけに今回の声明はこれまでのアメリカの外交態度を一新し、場合によってはパレスチナ人が住む西岸地区へのユダヤ人入植を認めてしまうのではないかとの危惧もあがっている。

 

さらにトランプは、会談のなかでイランの核合意に反対していると話した。イラン核合意は2015年に締結され、オバマのレガシーと言われる政策だ。IAEAの目を逃れ核開発を行ってきたイランに対し、イランが核開発をできないレベルまで制限を課し、その見返りにイランへの経済制裁を解くというものだった。しかし、この合意は非常に曖昧な内容で、例えば低濃縮のウラン保持は認めるなど完全にイランの核開発を禁止しているかどうか怪しい。そのためネタニヤフはこの合意に反対の意を表ししていた。トランプの発言はネタニヤフを喜ばせる反面、イランのロウハニ大統領は「報復」という強い単語を出してまでアメリカを批判している。

【宮家邦彦のWorld Watch】イラン核「合意」は曖昧過ぎる イスラエル、サウジが黙っていない…中東「核拡散」の予感(1/4ページ) - 産経ニュース

核合意見直し「不可能」 イランのロウハニ大統領、米を牽制 - 産経ニュース

 

トランプ就任で揺れる中東事情といったところだが、実は2国家共存には問題点が多くパレスチナ側からも反対の意見がある。パレスチナの防衛力は弱く、イスラエル国防軍の力がなければ主流派組織であるファタハイスラム原理主義組織ハマスに飲み込まれてしまう恐れがあるからだ。

Why does the PA oppose a two-state solution? - Israel National News

 

2国家共存にしても1カ国による統一にしても、数多くの複雑な問題は依然残る。いずれにせよ、トランプがこれまでの2国家共存スタンスを変えたことで(少なくともそう示唆したことで)、2017年の中東情勢は新たな局面に突入することになりそうだ。