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21世紀の新視点

主に日米の国際情勢を解説していきます。

トランプの「一つの中国」発言で力を増す中国

アメリカ トランプ 中国

2月10日、トランプが習近平との電話会談中に「一つの中国」を尊重する意思を見せた。トランプは昨年12月2日に独立志向の高い台湾の蔡英文と電話会談をしたため、中国との関係悪化が懸念されていた。今回の電話会談により、トランプの対中外交スタンスが明らかになってきた。

Trump agrees to honour 'One China' policy despite threats - BBC News

CNN.co.jp : トランプ氏、台湾総統と電話会談 対中関係に影響も - (1/2)

 

アメリカは1979年の米中国交正常化から、中国共産党を唯一の合法政府と認める「一つの中国」の立場をとってきた。一方で、トランプの「一つの中国」を疑問視する態度や、「中国を為替操作国として認定する」といった発言により米中関係は緊迫するかのように見えた。

Trump to Brand China Currency Manipulator, Ex-Treasury Aide Says - Bloomberg

 

だが、意外なことに米中関係に関しては明るい見方も多い。トランプの上級顧問を務めた元CIA長官のジェームズ・ウールジーは昨年11月に、「アメリカは中国の台頭を認め、一帯一路政策にも緩やかな反応を示すだろう」といった主旨の発言をした。

Under Donald Trump, the US will accept China’s rise – as long as it doesn’t challenge the status quo | South China Morning Post

 

一帯一路とは、2014年に中国が提唱した外交政策で、中国とアジア、中東、アフリカそしてヨーロッパを海上で結び経済的なつながりを強化する意図がある。また、ウールジーは中国が主導するAIIBへも寛容な態度をとる姿勢をとっている。オバマはリバランシング政策としてTPPやADBに力を入れてきたが、トランプがTPPに不参加を決めADBの規模もAIIBのそれに及ばない今、中国のアジア台頭は必須になりそうだ。

トランプ氏の上級顧問、AIIB不参加「誤り」 : トランプ大統領 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

トランプ大統領、TPP離脱を正式表明(声明全文)

 

TPP離脱により、トランプはアジアにおけるアメリカのプレゼンスを下げている。また、今回の「一つの中国」発言はアメリカが中国のアジアにおける台頭を認めていると捉えることもできる。一方日本は、日米首脳会談を開いて両国の同盟を強化する声明を出した。だが「これで安心か」などと安易に思ってはいけない。アジアで中国が力をつけていけば、今後南シナ海尖閣諸島などで中国軍の動きが活発になるだろう。日本はそのような横行を牽制しながらも、経済的観点から日中の新しいつながりを模索していかなければならなくなる。

日米首脳会談の共同声明全文 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)